top of page

「なぜ津波で逃げる必要があるの?」に答えるために、津波後の“未来”を伝えておこう

  • 執筆者の写真: 渡邉俊幸
    渡邉俊幸
  • 4月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:4月14日

こんにちは、渡邉俊幸です!


津波が見込まれるとき、「ただちに高台へ避難を!」という情報を発表しても、実際にすぐに動ける人はどれほどいるでしょうか。平時のうちから、「なぜ今逃げなければいけないのか」を住民一人ひとりが納得できるように伝えておくことが、避難行動につながる鍵になります。


津波警報や大津波警報が出たからといって、水が押し寄せてくるイメージが湧かない人も多くいます。


だからこそ、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが2025年の3月に公表した「最大クラス地震における被害様相の横断的整理」の資料などを使って、津波発生後の街の様子をリアルに伝えることが有効です。


最大クラス地震における被害様相の横断的整理より
最大クラス地震における被害様相の横断的整理より

たとえば、津波が来た直後は建物倒壊や水没、車の流失などで救助が届かず、多数の犠牲者が出るおそれがあること。その後も広範囲の浸水によって電気・水道・交通インフラが止まり、物流も滞り、避難生活が長期化し、医療や生活支援にも限界が生じること。そうした「津波発生後の様子」までイメージできる人は稀です。


このため、そうしたことを具体的に描写しておくことで、「逃げなければどうなるのか」を実感として伝えておく必要があります。


「想定される津波の高さ○メートル」といった数値だけでは伝わらないリアリティ。


だからこそ、図や時系列表などを使いながら、「あなたの地域で津波が来たら、時間とともにこんな被害が広がっていく」というストーリーで伝えていくのが効果的です。


逃げるべき理由が「数字」ではなく「実感」で伝わるように。


日ごろから、津波の脅威を「映像のように思い浮かべられる情報」にして伝えていく工夫が、命を守る第一歩です。



---

📩 最新記事はメーリングリストでお届けしています。

興味のある方はページ下の登録フォームからぜひどうぞ!

メールマガジン登録

伝え方ジャーナル「発信の現場から」でご紹介した記事をお届けします。

お問い合わせ

災害情報の伝え方を改善するためのコンサルティングや研修、プロジェクトの企画・運営などを行っています。ご関心のある方はお気軽にご相談ください。

避難情報発信ラボプロジェクトマネージャー・渡邉俊幸のSNS

© 2025 避難情報発信ラボ/気象とコミュニケーションデザイン

bottom of page